建物の老朽化などを理由に、家や建物を解体する際には、建物の種類や構造に応じた適切な工法が選ばれます。
戸建住宅とビルでは解体方法も異なり、それぞれの建物に合った方法で安全かつ効率的に作業が行われます。
◇木造
木造建物の解体は、まず内装の撤去から始まり、その後に重機を使って建物全体や地中の基礎コンクリートを取り壊します。
重機の搬入が難しい場所では、「手壊し工法」によって作業が行われ、騒音や振動を抑えたい場合にも適しています。
さらに、重機と手作業を併用する「重機併用工法」では、資材をリサイクル目的で選別しながら効率よく解体が進められます。
◇コンクリート造(RC造)
コンクリート造(RC造)の建物は木造に比べて頑丈なため、解体にも専門的な工法が必要です。
主な方法として、屋上から下階へ順に重機で壊していく「階上解体」や、地上から解体を進める「地上解体」があります。
そのほかにも、専用の機械を使ってコンクリートを砕く「圧砕機工法」、大型の打撃装置で破壊する「大型ブレーカー工法」、階ごとに順に解体する「ブロック解体」、など、状況に応じた多様な方法が採用されます。
◇鉄骨造(S造)
木材が多く使われている場合は、内装を手壊し工法で撤去し、屋根や外壁を重機で解体します。一方、コンクリートを含む場合は重機を中心に解体を進めます。
鉄骨造特有の作業としては、解体時に「鉄骨切断カッター工法」や「ガス切断工法」を使って鉄骨を小さく切断し、運搬や処理をしやすくするのが特徴です。