再生可能エネルギーへの関心が高まる中、特に太陽光発電は脱炭素社会の実現に向けた重要な柱として注目を集めています。
◇導入拡大と政策動向
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、日本では太陽光発電の導入量を大幅に拡大する方針が示されています。
この背景には、温室効果ガス排出量削減という国際的な課題への対応があり、再生可能エネルギーの中核として太陽光発電が位置づけられています。
さらに、公共施設への太陽光発電設置義務化が進められており、2030年までに公共施設の50%、2040年までに100%への導入が目標とされています。
一般住宅への設置義務化は現時点では見送られていますが、将来的な義務化や普及促進策が検討されています。
◇技術革新と効率向上
太陽光発電の変換効率は着実に向上しており、2020年代には家庭用パネルで20%超が一般化しつつあります。
今後は、ペロブスカイト太陽電池やシリコン系とのタンデム型(積層型)など、次世代技術の実用化が期待されています。
これらの技術により、理論上30%超、さらには40%近い変換効率も視野に入っており、加えて、ビルの窓や車のボディなど新たな設置場所での応用も拡大しつつあります。
さらに、これまでの「売電型」から「自家消費型」への移行が加速しています。
特に電気料金の高騰や災害対策の観点から、蓄電池との組み合わせによるエネルギーの自給自足ニーズが高まると考えられています。