
鉄筋工事は、完成後にはコンクリートに覆われて見えなくなる工程ですが、建物の耐震性や耐久性といった構造性能を左右する極めて重要な工事です。
配筋のわずかなズレや施工精度の不足は、設計通りの強度を発揮できない原因となり、長期的な安全性にも影響を及ぼします。
ここでは、なぜ鉄筋工事の精度が構造性能に直結するのか、その理由を整理して解説します。
◇配筋精度が耐力と粘り強さを左右する
鉄筋は、コンクリートの弱点である引張力を補い、構造体としての耐力を確保する役割を担っています。
そのため、鉄筋の径・本数・間隔・定着長さが設計通りに施工されていなければ、想定された耐力は得られません。
かぶり厚さが不足すると鉄筋腐食のリスクが高まり、過大であれば有効断面が減少します。配筋精度は、耐震時の粘り強さにも直結する重要な要素です。
◇施工管理の質が長期性能を支える
結束不良やスペーサー不足による鉄筋のズレは、コンクリート打設時に配筋が崩れる原因となります。
また、施工図と現場の整合確認を怠ると、開口部や設備配管との干渉による手直しが発生し、品質低下を招きます。
適切な施工管理と検査体制を徹底することで、設計意図を確実に構造体へ反映させることができます。
鉄筋工事の精度確保こそが、建物の信頼性を支える基盤と言えるでしょう。