
基礎工事において、一見地味ながらも極めて重要な工程が捨てコンクリート(捨てコン)です。
これは建物の構造的な強度を直接担うものではありませんが、その後の精密な工事を支えるための重要な下地となります。
◇職人の技を正確に反映させる「キャンバス」の役割
捨てコンクリートの最大の目的は、凹凸のある地盤の上に水平で平坦な作業面を作り出すことにあります。
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正確な墨出し: 平らな面ができることで、建物の位置を示す「墨出し」という線引きを正確に行えます。これにより、鉄筋を組む位置や型枠の設置場所が数ミリ単位で狂いなく定まります。
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施工精度の向上: 足場が安定するため、職人が精密な作業を行いやすくなり、結果として建物全体の歪みを防ぐことにつながります。
◇基礎の耐久性を守る「保護と防湿」の境界線
目に見えない地中からの影響を遮断することも、捨てコンクリートの大きな功績です。
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鉄筋の腐食防止: 地面からの湿気の影響を抑え、基礎の要である鉄筋が錆びるのを防ぎます。また、鉄筋が土に直接触れるのを防ぎ、コンクリートの「かぶり厚」を正しく確保するために不可欠です。
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泥や汚れの混入阻止: 基礎コンクリートを流し込む際、泥が混じると強度が低下します。捨てコンクリートが境界となることで、不純物のない純粋な基礎を形成でき、長期にわたって安定した耐久性を確保します。