新時代の電力、「新電力」とは

新電力とは、電力自由化以降に新たに参入した小売電気事業者、あるいはその事業者が提供する電力のことです。

以前は日本では全国10社の電力会社の他には電気の販売が許されている企業はありませんでしたが、2016年4月に「電力自由化」がスタート。家庭や商店など低圧と呼ばれる区分に関しては消費者への電力の小売りが自由化され、販売の制限がなくなったことから多くの企業が電気の小売り事業に参入するようになりました。2016年の開始時には参入した業者の数は291件でしたが、2020年には644件と4年間で倍以上の数になり、シェアも5.2%から16.2%と3倍以上に拡大しています。

 

電力自由化は、電力の安定供給を確保することや、自由競争によって電気料金の低額化を図ることなどを目的として始まりました。ただしこれまで大手電力会社の供給を受けていた消費者にとっては新規参入の新電力に切り替えることはメリット以上に不安を感じる人も多く、まだまだ利用者が少ないという部分も現実です。新電力を販売している業者は顧客を増やすことが必要であるため、大手電力会社に比べると料金が割安、さらにガスやインターネットなど他のサービスと合わせることで「セット割」などを導入し、更に割引が適用されるケースもあります。太陽光や風力などの再生可能エネルギーを活用している新電力もあるので、各家庭や個人の目的に合わせて電気事業者を選ぶと良いでしょう。