水道の歴史~日本の上下水道はいつから整備されたのか

日本では水道設備が整備されているため、蛇口をひねるだけで安全な水がいつでも利用できます。
しかし、水道は初めから全国に普及していたわけではなく、徐々に進化しながら現在の形に至りました。

 

◇上水道のはじまり

江戸時代以前は川や井戸の水を使っていましたが、人口増加と水質問題に対応するため、現代の水道の原型となる施設が整備されました。

江戸時代の水道は水質管理が課題でしたが、水道の普及により生活水や工業用水の安定供給が実現し、衛生環境の改善にもつながります。

明治維新後、政府はコレラなどの水系感染症予防と衛生向上を目指して上水道の整備を推進し、西洋技術を取り入れた近代的な水道システムが構築されました。

1887年には横浜市に野毛山浄水場が完成し、近代的な上水道の第一号となり、その後、東京や大阪を中心に整備されます。

この時期に浄水施設や配水管が導入され、現代の水道システムの基礎が築かれました。

 

◇下水道の歴史

日本で初めての下水は弥生時代にさかのぼり、し尿は農作物の肥料として活用されていました。明治時代になると、国外から肥料が輸入され、し尿は肥料として使われなくなり、川に流されて水質汚染が進行します。

これが原因でコレラが流行し、下水道の重要性が認識され、急速に整備が進んだのです。

1884年には日本初の「神田下水」が完成し、1922年には最初の下水処理場「三河島処理場」が設置され、河川の水質が改善されました。