畳は日本の伝統的な床材として、長い歴史を持っていますが、地域ごとにその大きさや形が異なることをご存じでしょうか。
特に、関東と関西では畳のサイズに違いがあり、この違いには歴史的な背景が影響しています。
◇関東の畳の特徴
江戸時代に新たに採用された「柱割」の建築方法では、柱と柱の間隔を先に決め、その空間に合わせて畳のサイズが調整されました。
この結果、柱の太さ分だけ小さくなった「江戸間」の畳が生まれ、サイズは1760×880mmとなりました。江戸間は最も一般的な畳の規格で、関東一帯や東北地方の一部、北海道などで広く使用されています。
また、この畳のサイズは、長辺が5尺8寸であることから、五八間(ごはちま)とも呼ばれ、関東間や田舎間とも称されます。
◇関西の畳の特徴
京都を中心とする関西地方では、「畳割」という設計方法が伝統的に用いられ、畳のサイズを基準にして柱の位置や部屋の大きさが決められていました。
この方法で生まれた畳が「京間」または「関西間」と呼ばれ、そのサイズは1910×955mmです。
京間は畳の中で最も大きいサイズで、関西地方、四国地方、中国地方、九州地方で一般的に使用されています。
現在では、新築の家屋では全国的に江戸間サイズの設計が多くなっていますが、地域による畳サイズの違いは日本の建築史と文化の多様性を反映する興味深い例となっています。