日本の高速道路の歴史と誕生の背景

日本の高速道路は、都市間の移動効率を高め、物流や経済発展を支える重要なインフラです。

しかし、私たちが当たり前のように利用している高速道路も、誕生には時代背景やさまざまな課題がありました。

 

◇日本の高速道路の始まり

日本で高速道路建設の必要性が本格的に議論されたのは、戦後の経済復興期です。

自動車の保有台数が急増する中、旧来の国道や地方道路だけでは交通量をさばききれず、慢性的な渋滞や物流の停滞が課題となっていました。

1929年に実業家の菅原通済が東京-大阪間の高速道路建設計画を打ち出しましたが、この計画は車の普及不足や経済状況、戦時体制などで頓挫します。

その後、1957年に高速自動車国道法が制定され、翌年以降に日本道路公団が設立されて高速道路網の整備が進められました。

1963年7月に名神高速道路の一部区間(栗東IC-尼崎IC、71.7km)が日本初の高速道路として開通し、その後1965年の全線開通によって名古屋-大阪間の移動時間は大幅に短縮されました。

 

◇高速道路誕生の背景

東京オリンピック後の経済成長を背景に、東名高速道路の建設も進み、1970年代には全国主要都市を結ぶ幹線ネットワークの骨格が形成されていきます。

こうした高速道路の整備は、物流の効率化や産業の発展を促すだけでなく、人々の生活圏を広げ、地域間の交流を活発化させました。

現在では約1万キロにおよぶ高速道路網が整備され、メンテナンス技術や料金システムも進化を続けています。