
建物の沈下を抑え、地震時の安全性を確保するうえで重要な「杭工事」。
地盤の強さに応じて適切な工法を選び、緻密な手順で施工を進める必要があります。
■場所や目的に合わせて選ばれる主な杭工法の種類
杭工事にはいくつかの代表的な工法があり、建物の規模や地盤の固さに応じて選定され、一般的に広く採用されているのが「既成杭工法」と「場所打ち杭工法」です。
既成杭工法は、あらかじめ工場で製造されたコンクリート杭や鋼管杭を、専用の重機を使って工法に応じた方法で地中に設置します。工期が比較的短く、品質が安定しやすいのがメリットです。
これに対し、場所打ち杭工法は、現場の地盤に穴を掘り、その中に鉄筋かごを建て込んでからコンクリートを流し込んで現場で杭を造り上げる工法です。超高層ビルや大規模な構造物など、非常に大きな荷重を支える必要がある現場で主に活用されます。
■施工精度と建物の安全性を担保する品質管理のポイント
杭工事は建物の基礎を担う極めて重要な工程であるため、現場では徹底した品質管理が行われます。
まず施工時には、設計図どおりの位置に施工されているか、杭の傾きに問題がないかを測量機器などで確認し、ズレを防ぐことが大前提となります。
さらに、場所打ち杭であれば掘削した孔の深さや底部の清掃状況、コンクリートの品質や打設量が適切であるかを厳しくチェックします。既成杭の場合も、支持層(頑丈な地盤)にしっかりと到達しているかを示す電流値や深度データなどの施工記録を残し、品質を確認します。
こうした細心の注意と厳格な管理の積み重ねによって、長期間にわたり建物の安全性を守る強固な基礎が完成します。