屋上防水工事に用いる「密着工法」とは

密着工法とは、ウレタン防水やシート防水を行う時に用いられる工法です。防水層を下地に完全に密着させて行うもので、ウレタン防水では塗料のような状態のウレタン樹脂を直接防水箇所に塗布して防水面を形成させ、シート防水ではゴムや塩化ビニールのシートを接着剤で下地に直接貼り付けることで防水面を形成します。どちらも大掛かりな器具を使用せず工期も短いため、コストがかからないのがメリットです。

 

一方、密着工法とは異なるのが絶縁工法です。下地に密着させない方法で防水層を形成するもので、下地と防水層の間にもうひとつ層を挟み込み、双方が直接触れない状態で仕上げます。アスファルトシートなどを挟み、下地の状態に影響を受けにくく耐久性が高くなることがこの工法のメリットです。

 

下地の状態に問題がない場合、多くの防水工事では密着工法が採用されています。防水箇所を歩いたり重たいものを持って通行することが多かったりする場合は、絶縁工法はあまりおすすめできません。密着工法で形成した防水層は絶縁工法に比べると軽量で住むため、建物自体に負担を掛けにくいという特徴もあります。

 

密着工法のひとつであるウレタン防水で仕上げた防水面はだいたい10年から12年程度の耐久性がありますが、5、6年程度でトップコートの塗り替えを行うことでより劣化の少ない防水面の維持が可能になります。ウレタン防水を行った際はトップコートの塗り替えも忘れずに行いましょう。