災害復旧と災害復興の違い

災害復旧とは、台風や河川の氾濫などの異常な天然現象によって受けた被害を元に戻すことです。道路、河川、公園などの公共土木施設が被災することを災害といい、それらの復旧を行うことを災害復旧事業といいます。

 

災害復旧は、災害復興に関する事業のうち、道路・ダム・水道・公共施設などのインフラ関連の復旧事業を指します。復旧と復興はよく似た言葉ですが、厳密には意味が異なります。復旧とは「壊れたり傷んだりしたものを元の状態にすること」、復興は「いったん衰えたものが再びもとの盛んな状態に返ること」を指します。使えなくなってしまった道や施設が元通りに直るだけでなく、人々が元の地で暮らし活気あふれる街に戻って初めて復興したということができます。

 

災害復旧も災害復興も、災害の程度により復旧・復興にかかる時間は異なります。しかし、復旧よりも復興の方がはるかに時間が掛かります。また、復旧では元の状態に戻すまでを言いますが、復興ではその後の長期的な展望に基づいて新たな街づくりに着手することもあります。現在の東京は関東大震災後の復興により作られた街だとも言われており、その他にも多くの街が災害復興を経てより災害に強い街づくりに取り組んでいます。素早い復旧とその後の復興、どちらもがその土地に暮らす人々の生活を支えています。