アスベストが人の身体に悪影響を及ぼすことは知っていても、実際にどのような影響があるのかを知っている方は少ないのではないでしょうか。
ここでは、アスベストが人体に及ぼす影響についてまとめています。
◇ そもそもアスベストとは?
アスベストは天然の無機繊維状鉱物で、きわめて細い繊維で以前は吹き付け材や断熱材、保湿材や摩擦材などのさまざまな製品に用いられていました。
しかし2,000年代になると、この細かい繊維が人体に悪影響を及ぼすことが研究で明らかにされたのです。
◇ アスベストはどのような影響を与えるの?
アスベストは髪の毛よりも細かい繊維なので飛散すると空気中に浮遊し、それを人が吸い込むと肺胞へ沈着してしまうのです。
沈着したアスベストは一部は痰などで体外に排出されますが、アスベストは変化しにくい物質なので残りは肺の組織内に留まります。
そして、沈着したアスベストはそのまま肺に留まり肺の繊維化や肺がん、悪性中皮腫などを発症するリスクが高くなるのです。
ただし、アスベストは吸い込んだからといってすぐに症状が出るわけではなく、30年、40年の長い潜伏期間を経て発症します。
アスベストが原因となる疾患の発生率は、中長期間で高濃度のアスベストを吸い込んだ人の方が高くなり、労災認定でも疾患によって一定年数と定められています。