断熱性は、住まいの快適さを大きく左右する重要な要素です。
近年では、省エネ性能に優れた住宅設計への関心が高まっており、それに伴い、断熱性の向上はますます重要なテーマとなっています。
◇断熱材とは?
断熱材とは、熱の伝わりを防ぐための資材です。住宅用建材をはじめ、冷蔵庫や保冷箱などにも使われています。
熱の伝わりやすさを示す指標を「熱伝導率」といい、これが低いほど断熱性が高いとされます。
金属は熱伝導率が高い一方、空気や二酸化炭素といった気体は低く、一般的な断熱材は熱伝導率0.02〜0.1W/m・Kの素材で、内部に空気層を持つことで断熱効果を高めています。
◇断熱材の仕組み
断熱材は、建物の壁・屋根・天井・床などの構造部分に充填したり貼り付けたりして使用します。
断熱の基本原理は、熱伝導率の低い空気を内部に取り込むことで、熱の伝わりを抑えるというものです。
気密部材と併用し、適切に施工されていれば、すき間が減って断熱性だけでなく気密性の向上にもつながります。
断熱材の素材には、ガラスを主原料とする無機繊維系や、無数の気泡を含んだ発泡プラスチック系などがあります。
たとえば、無機繊維系の断熱材では、細かく絡み合った繊維の間に空気を閉じ込めて熱の伝導を防ぎます。発泡プラスチック系では、気泡の中に空気を保持し、その層が断熱効果を発揮します。
また、空気層が厚いほど熱の伝わりにくさが増すため、断熱材は一般的に厚みがあるほど高い断熱性能を持つのが特徴です。