巧みの技が光る!日本が誇る伝統工芸、螺鈿の魅力

神秘的な輝きが魅力の螺鈿(らでん)。

光や見る角度によって虹色に光る螺鈿は日本が世界に誇る伝統工芸のひとつです。

 

◇螺鈿とは?

螺鈿はアワビや夜行貝、白蝶貝等の貝殻の内側にある光沢があり、見る角度によって色が変わる真珠層を薄く磨き、柄や模様を加工してできたものです。

螺鈿の歴史は古く、紀元前3000年のエジプト文明まで遡ります。当時の遺跡からは螺鈿の装飾品や調度品た多数発掘されました。

日本へは奈良時代に唐(現在の中国)より螺鈿の技術が伝わり、平安時代の貴族文化や鎌倉時代には馬具に、そして戦国時代から江戸時代には刀や武具の装飾として広く用いられたのです。

また、安土桃山時代には南蛮貿易で輸出をしていた螺鈿の「南蛮漆器」がヨーロッパにて好まれ、当時はステータスシンボルとして人気があったそうです。

しかし、江戸幕府による鎖国政策で輸出は減少し、国内向けの工芸品として発展をして名高い職人が誕生しました。

 

◇日本の螺鈿職人

江戸時代の螺旋文化を支えたのは「小紋螺鈿印籠」「網文螺鈿印籠」で有名な杣田光正、生島藤七等が有名です。

現代では1999年に重要無形文化財の保持者として人間国宝に認定された北村昭斎や田口善国が螺旋職人として多くの名品を作り上げています。