膨張コンクリートとは膨張剤を用いたコンクリートです。

◇コンクリートがひび割れる原因

コンクリートのひび割れの原因は主に「乾燥収縮」「水和による温度上昇」「急激な外気温の温度変化による体積収縮」等の様々な原因があります。

また、建物の完成後もコンクリートの中性化や鉄筋腐食によるひび割れ、地震や地盤沈下が原因のひび割れなどが発生します。

これらのひび割れは美観を損なうばかりでなく、用途上の機能低下、漏水、強いては構造物の部分的な崩壊に繋がります。

特に「乾燥収縮」によるひび割れはセメントと水の水和反応によって発生することが多いため、生コン製造時に膨張剤を混入して収縮を防ぐ方法が有効です。

◇膨張コンクリートとは

膨張コンクリートとは乾燥収縮を防ぐために膨張剤を混入して製造したコンクリートです。主に建物の床や壁、コンクリート製品など幅広く用いられます。

他にはひび割れによる漏水などが問題となる箇所でも重宝されれています。

膨張剤を混入しておくことでコンクリートの収縮に働く力を軽減してひび割れを防ぐ効果があります。

膨張剤は「遊離石灰と反応させ、水酸化カルシウムを生成させて膨張性を付与するもの」と、「エトリンガイトを生成させて膨張性を付与するもの」の2種類があり、用途によって使い分けます。