地すべり工事とは、斜面や土地が重力や水の影響で崩れる地すべりを防止または制御するための工事です。
主に、排水工や杭工、擁壁工などの技術を用いて、地盤の安定性を高めることを目的としています。
斜面に排水設備を設けて地下水を除去したり、地盤を補強して崩落を防いだりすることで、被害を未然に防ぐ重要な工事です。
◇地すべりが起きやすい地層
地すべりの発生は主に以下のような地質に限られています。
- 第三紀層泥質岩
第三紀層は約6600万年前から250万年前に形成された地層で、粘土質の岩石が多く含まれていて、水を含むと柔らかくなり、滑りやすい性質を持っています。
- 変成岩
変成岩の中でも特に粘土鉱物を含むものは、水分を吸収することで構造が不安定になり、滑りやすい層を形成します。
- 火山変質岩
火山由来の岩石が風化し粘土化したもので、これらは多孔質で水分を保持しやすく、滑りを助長します。
これらの地質は、いずれも粘土鉱物が多く含まれており、水分を吸収すると力学的特性が大幅に低下します。
その結果、滑りやすい条件が整いやすくなります。
◇地すべり工事の重要性
地すべり工事は、土砂災害から地域の安全を守るために不可欠です。
地下水の排除、特殊な井戸の設置、雨水の浸入を防ぐ工事など地盤の安定性を向上させ、土砂の動きを抑制します。
災害リスクを軽減するには重要だと言えるでしょう。