私たちの暮らしに欠かせない水道は、家庭や施設に清潔な水を届ける「上水道」と、使った水を安全に排出・処理する「下水道」で成り立っています。
これらは一体となって快適で衛生的な生活環境を支えており、どちらか一方が欠けても日常生活は成り立ちません。
ここでは、それぞれの役割と設備の仕組みを解説しています。
◇上水道の役割
上水道は、川やダムなどの水源から取水した原水を浄水場でろ過・消毒し、配水管を通じて各家庭や施設へ供給する仕組みです。
配水池やポンプ場を経て安定した水圧を保つため、定期的な水質検査や管路の点検が不可欠です。
また、老朽化した配管は漏水や水質悪化の原因となるため、自治体は計画的な更新を行い、利用者もメーター付近の凍結防止や異常時の連絡など協力が求められます。
◇下水道の役割
下水道は家庭や事業所から出る生活排水や雨水を集め、下水処理場で浄化して河川や海に放流します。
管路内の詰まりや破損を防ぐため、油脂や異物を流さないことが利用者の基本的なマナーです。
自治体はカメラ調査や高圧洗浄による管内清掃を定期的に実施し、大雨時の排水能力確保や悪臭対策を行っています。
上下水道は見えない場所で機能しているため、その重要性が意識されにくいものです。
しかし、設備の老朽化が進む日本では、計画的な更新と市民の協力が将来の安心につながります。