杭工事の工法ごとの特徴・施工手順と現場条件に応じた選び方

建物の荷重を安定した地盤へ確実に伝える杭工事は、構造物の安全性を決定づける極めて重要な工程です。

今回は。主要な杭工事の工法(既製杭・場所打ち杭)の特徴と、現場条件に応じた工法の選び方を解説します。

 

■既製杭と場所打ち杭の特徴および標準的な施工手順

杭工事の工法は、工場で製造された杭を打設する「既製杭工法」と、現場で掘削した孔に鉄筋カゴを挿入してコンクリートを打ち込む「場所打ち杭工法」の2つに大別されます。

既製杭工法(プレボーリング工法など)は品質が安定しており工期を短縮できるのがメリットで、アースオーガーなどで先行して削孔した後、杭を建て込み、所定の位置まで沈設する手順で施工されます。

一方、場所打ち杭工法(アースドリル工法など)は、大口径の杭にも対応しやすく、高い支持力を確保できる点が特徴です。掘削液で孔壁を保護しながら掘削し、鉄筋籠を建込んでトレミー管でコンクリートを充填していく手順で施工されます。

 

■周辺環境や地盤条件に応じた最適な杭工法の選定基準

現場に適した杭工法を選定する際は、地盤の性状だけでなく、周辺環境や敷地条件、施工スペースなどを総合的に考慮する必要があります。都市部の住宅街など、騒音や振動への配慮が求められる現場では、プレボーリング工法などが選択肢となります。

一方、軟弱地盤が深く続く場合や、高層ビル・大型施設など大きな荷重がかかる構造物では、場所打ち杭工法が選択肢となることがあります。

さらに、搬入道路の幅や上部障害物の有無、発生土の処理費用なども踏まえ、現場条件に適した工法を選定することが重要です。