建物に使用される木材の経年劣化について

一般的に木造住宅は10年から15年ほどで「修繕が必要」と言われます。
しかし建物に使用される木材の質が悪く、10年から15年で傷んでしまうわけではありません。
実際、神社や寺など、木材が使用された建物は何十年もその状態を維持していますからね。

ではなぜ木造住宅は10年から15年ほどで修繕が必要になってくるのか。
それは人間の生活が深く関係しています。

普段皆さんは家で料理をするでしょう。
そうすると湯気や煙が漂います。
換気扇を使いながら料理していることが多いかと思いますが、それでも部屋内に広がってしまいます。

湯気や煙は食材を炒めたり、油や水が蒸発するときに発生します。
その湯気や煙は木材を腐らせる菌、バクテリア、カビ、軟腐朽菌類が含まれています。
それを掃除せず、放置してしまうと湿気と混ざり合うことで腐食やカビの原因になります。

特に日本の気候は湿度が高く、カビが繁殖しやすい条件が揃っています。
木材自体はそれこそ、何十年、何百年と劣化しないものですが、そこに不純物が付着すると退化してしまうというわけです。

住宅によっては壁紙が全面に貼られ、木材がむき出しになっていないこともありますが、壁紙から湯気や煙が浸透しまうことがあるので、木材にまで影響が出てしまいます。