「日照権」とは、建築物の日当たりを確保する権利のことです。日当たりの良し悪しは暮らしの上で大切なポイントであり、建築基準法で定められている「斜線制限」と「日影規制」を基に決定されます。実は法律で定められている権利には「日照権」という名前のものはないのですが、わかりやすく説明しやすいためこの呼び方が定着しています。
日照権に関わるトラブルが起きやすいのは住宅街の近隣に高層マンションが建築されたときなどですが、一戸建てでも起こらないとは限りません。空き地に家が建ったことで日が当たる量や時間が大幅に減ったときなども、隣家から訴えを起こされたケースもあります。ただし、先に挙げた斜線制限や日影規制、それに伴う受忍限度を超えない限りは日照権を侵害しているとは認められません。どの程度暗くなると日照権の侵害が認められるかは、立地や各市町村の条例などによりケースバイケースですが、社会通念上で度を越した侵害があったと認められたときには日照権の侵害となります。
家は、どの人にとっても大きな買い物です。一度建ててしまえば簡単に引っ越すことはできませんので、家を建てるときは自分達の住みやすさだけではなく近隣の方への影響も考えて位置や間取りを決めるとトラブルが少なくなります。