優れた断熱性能を持つ木質繊維とは

夏は涼しく、冬は暖かい高性能住宅に欠かせない断熱材。現在、断熱材に使用される素材はグラスウールなどの鉱物系やウレタンフォームなどの石油系が主流となっています。しかし、これらの素材はコスト面で優れているものの、環境性においては十分とは言えません。そこで注目されているのが、ウッドファイバーとも呼ばれる木質繊維を使用した断熱材です。

 

ドイツやスイスなど環境に関する意識が高いヨーロッパ諸国では、既に木質繊維をはじめとした自然系断熱材が多く使われています。高断熱・高気密という性能を活かし省エネルギーの家を建てることができ、健康面でも化学物質によるアレルギー反応を抑えられるというメリットがあります。

 

一般的に自然系素材は生産量が限られるというデメリットが生じがちです。しかし木質繊維を利用した断熱材は間伐や伐採で生じた木材や廃材を原料として製造するリサイクル生産が可能なため、今後の普及にも期待が持てます。また木質繊維を使用した断熱材は、鉱物系や石油系由来のものに比べるとリサイクルも容易です。国内の企業間だけでなく多くの消費者の間でもSDGsに関する意識が高まっている今、自然由来の建材を積極的に取り入れることで他社との差別化を図ることもできます。今後の家づくりにおいて、注目すべき素材のひとつです。