「男木(おぎ)」「女木(めぎ)」とは、2つの木材を繋ぐときに使用する部材の呼び方です。接合部で上になる部材、あるいは凸型に加工された方を男木と呼びます。反対に下側になる部材、あるいは凹型に加工された方を女木と呼びます。ネジやボルトなどの木材以外でも「オス・メス」などと同じような呼び方をすることがあります。
男木と女木を使用して木材を繋ぐ方法には「継手」と「仕口」があります。どんなに立派な木材を利用しても、長さには限りがあります。そこで木材を加工して接合し、必要な長さや形に組む必要があります。長さを必要とする加工を継手、角度をもって接合する方法を仕口と呼び、それぞれの木材に男木と女木となる加工を施して組み合わせます。突起の形状は目的によってさまざまな種類があり、用途によって使い分けます。
日本の伝統的な建築方法では、釘やネジを一切使わず木材のみで建築物を作り上げます。その際に必要となるのが木材の接合技術です。建物の骨組みである柱や梁には十分な強度が求められるため、男木と女木の加工はずさんなものであってはなりません。本来は職人がひとつずつ手で加工していましたが、現在では施工期間の短縮やコスト削減のために工場で機械加工することが多くなっています。