「通気性がよい」は「すきま風が通ること」ではありません

快適な暮らしに欠かせないとされている通気性。昔ながらの日本家屋は夏を快適に過ごすために通気性のよい家づくりがされていたと言われており、暑い夏でもよく風が通ることで涼しい環境を保つ工夫がされていました。

 

そのイメージから、通気性=家のあちこちを風が通ることと思っている方も少なくないようです。しかし、通気性のよい家というのはすき間風が吹く家ではありません。夏は涼しくとも、冬に寒い思いをしなければならないのであれば快適な住まいとは言えないのではないでしょうか。

 

通気性とすきま風の違いは、狙った場所から換気ができているかどうかという点です。すきま風が吹くということは、本来の設計とは異なる場所からいらない空気の出入りが生じているということになります。もしすきま風による居心地の悪さを感じるようであれば、それは通気性を求めた結果ではなく、単に空気が漏れているということになるでしょう。

 

現代の家は高気密であることが謳われていますが、これは通気性のよさにも通じる話です。空気が漏れる場所があると、本来の設計通りに換気が行われなくなってしまいます。気密性を高めることで効率よく通気・排気を行うことが可能になります。高気密というと通気性の悪い印象を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。高気密かつ通気性のよい家というのは十分実現可能な内容なのです。