家の守り神「鬼瓦」の役割と歴史

「鬼瓦」は寺院やお城などの日本式建築物の棟に設置されている板状の瓦の総称です。

ここでは、鬼瓦の役割と歴史を解説しています。

 

◇鬼瓦の歴史

日本式の建物によく見る鬼瓦ですが、実はシリアにて発見されたローマ帝国の史跡「パルミラ」で、ギリシア神話で有名なメデューサを厄除けとして設置したことが始まりです。

その後シルクロードを通じて中国へと伝わり、そして朝鮮半島でも鬼瓦が発見されたことから、朝鮮半島経由で日本に伝わったと考えられています。

日本では1400年前の飛鳥時代の法隆寺の若草伽藍から発掘された「蓮華文鬼瓦」が最も古く、当時は蓮の花の形をしていました。

 

◇鬼瓦の役割

日本での鬼瓦の役割は2つあります。

ひとつ目は家を守る役割です。日本では古来鬼を味方に付けることで、鬼が恐ろしい形相で睨みつけて厄や魔を近づけないと考えられていたのです。

また、鬼瓦は鬼の他に家が栄えるようにと七福神や打ち出の小槌をあしらったものもよく見かけます。

ふたつ目は雨仕舞です。雨仕舞とは屋根の中に雨が侵入しなようにするための構造で、鬼瓦を設置することで建物に降り注ぐ雨を流れ落ちるようになっています。

いわば、雨の通り道を作る役割があるのです。