大和絵の特徴と代表作について

大和絵(やまとえ)は、日本の伝統的な絵画スタイルで、日本古来の生活文化や年中行事、歴史などを題材として描かれています。

 

◇大和絵の特長

大和絵は10世紀頃から発達してきており、当時の貴族が住んでいたお屋敷の屏風や障子等に描かれていました。

鎌倉時代になると武家社会になったことで、武士の生活や源平合戦を題材にしたものや、仏教説話や寺社、有名な僧侶が描かれているものも登場しています。

鎌倉時代の終わりには、大和絵とは「平安時代に確立した絵画様式で描かれたもの」として認識されるようになり、その特徴は時代ごとに変わっているのがわかります。

 

◇大和絵の代表作

現存する大和絵の中で、最も古いのが11世紀に描かれた「山水屏風」です。

12世紀になる大和絵の絵巻物が登場して、『源氏物語絵巻』『鳥獣人物戯画』『伴大納言絵詞』『信貴山縁起』は「四大絵巻」として有名です。

室町時代には狩野派の狩野正信の作品の『周茂叔愛蓮図』(しゅうもしゅくあいれんず)は、その後400年間続く狩野派に大きな影響を与えています。

 

大和絵はその後、江戸時代に登場した浮世絵や、明治以降に誕生した日本絵画にも影響を与えたことを考えると、日本絵画の原点なったのが大和絵だったと言えるでしょう。