ヨーロッパのゴシック様式の「リネンフォール」の魅力に迫る!

12世紀後半から始まり、北フランスを中心に広まり、13世紀から14世紀にかけて最も栄えた西ヨーロッパの建築・装飾様式はゴシック様式として知られています。

ゴシック様式の中でも家具や装飾品のモチーフに使用されていたデザインに「リネンフィールド」があります。

 

◇リネンフィールドの基礎知識

リネンフォールド(Linenfold)は、ゴシック様式のヨーロッパで広く用いられた装飾模様の一つで、ナプキンを折り重ねたようなひだ状のデザインが特徴です。

ゴシック様式は主にキリスト教建築によって発展し、その特徴として高い天井、ステンドグラスなどが挙げられます。

また、ゴシック様式の家具も、建築と同様に垂直方向を強調し、対称的なデザインが多く制作されました。

当時はリネンフィールドの家具は富の象徴とされ、そのため重厚感のあるスタイルが主流でした。

 

◇リネンフィールドの特徴

リネンフィールド家具では、特にワードローブ、ブランケットボックス、コファーなどの木製扉の大面積によく見られました。

この技法はイギリスのアンティーク家具によく用いられているもので、独特の重厚感と布を折り重ねたような美しいデザインが特徴です。

この技法は比較的簡単に加工できながら、美しい仕上がりを持ち、イギリスでは現代の家具制作にも利用されています。