「琳派」の特徴と代表作を解説!

江戸時代に京都で始まった「琳派」は、金銀の華やかな飾りつけや大胆なデザインにより、約400年にわたって人々を魅了し続けてきました。

◇琳派の特徴

琳派の作品には共通の特徴として技法、構成、形式の3つの要素が存在します。

ひとつ目は「たらしこみ」という独自の日本画のテクニックが用いられています。この手法を用いることで、透け感のあるテクスチャーや空に浮かぶ雲のような効果がリアルに表現できます。

また、琳派の屏風絵は、通常は「二曲一双(2つのパネルで1枚)」の基本的な形式を採用しています。

これは六曲や四曲の作品とは異なり、画面を大胆に配置できる特徴があります。

三つ目は「平面的」なデザインが特徴で、西洋絵画的な写実性や遠近法は重要視されず、むしろモチーフの印象や迫力を伝える手法が用いられているのが特徴です。

◇琳派の代表作

琳派には多くの国宝絵画や工芸品があり、その中には俵屋宗達の「風神雷神図屏風」「源氏物語関屋澪標図屏風」「蓮池水禽図」、尾形光琳の「燕子花図屏風」「紅白梅図屏風」が有名です。

他には、「舟橋蒔絵硯箱」(本阿弥光悦)や「八橋蒔絵螺鈿硯箱」(緒方光琳)、野々村仁清の陶芸作品など、琳派は工芸品でも多くの国宝を誇っています。

また、宗達と光琳による「松島図屏風」や光琳と鈴木其一による「群鶴図屏風」など、琳派の特徴的な競作も見逃せません。