地すべりは、斜面の一部または全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと下方へ移動する現象です。
この現象では大量の土塊が流れ落ちるため大きな被害を及ぼし、一度すべり出すと止めることは非常に難しい特性を持っています。
ここでは、地すべり防止工事の種類について解説しています。
◇地すべり防止工事の種類
地すべり発生を防止するための工事は2種類あります。
・地すべり抑制工
地すべり抑制工法は、地滑り箇所の地形や地下水の状態などの自然条件を変えることで、地滑りの活動を緩和する目的で行われます。
この工法は、地滑りの活動力と抵抗力のバランスを改善することを目指しています。
抑制工の中でも種類があり、地下水を排除することにより、すべり面に働く間隙水圧の低減や地すべり土塊の含水比を低下させる「横ボーリング工」、集水用の井戸を掘削する「集水井工」があります。
地すべりの規模が大きい場合は、トンネルからの集水ボーリングや集水井工との連結などによってすべり面に影響を及ぼす地下水を効果的に排水する「排水トンネル工」が用いられます。
・地すべり抑止工
地滑りを利用した抵抗力を持つ構造物を地滑り箇所に設置し、その抵抗力を活用して地滑りの活動を停止させる方法です。