船が安全に港を行き来できるようにするための「しゅんせつ工事」。
今回はしゅんせつ工事の目的と工法を解説しています。
◇しゅんせつ工事の目的
しゅんせつ工事は「河川や海の底の土砂を取り除き、船舶の航行を確保する」ための作業です。
近年ではより多くの貨物を運ぶため船舶の大型化が進んでおり、船が通る場所にはより深い水深が求められるようになりました。
船が安全に航行するためには一定の水深が必要であり、しゅんせつ工事は海底を掘り下げて、航路や港湾を整備しています。
しゅんせつ工事で取り去られた土砂は、埋め立てや新しい土地の造成などに利用され、有効に再利用されることもあります。
◇しゅんせつ工事の工法
・ポンプしゅんせつ
海底や河床の土砂と海水を一緒に吸い上げて検討する方法です。
船の前方に設置された吸水管から土砂を吸い上げる工法で、大規模な工事に向いていますが、固い土砂には適していません。
・グラブしゅんせつ
船の先端にあるグラブバスケットを海底に落とし土砂を直接つかむ工法で、ゲームセンターのクレーンゲームに近いイメージです。
つかんだ土砂は土運船に積み込まれ、埋立地まで決められます時間はかかりますが、狭い場所や固い土砂には最適です