「建設需要が減っていて、将来が不安だ」と言われていますが、実際にはどうなのでしょうか。
◇建設業界の現状
コロナウイルスの影響は建設業界にも大きな影響を与えました。
東京オリンピックや都市再開発などによる建設ブームでこれまで好況だった建設業界も、コロナ禍で後退したのです。
2019年度には65兆円以上と推計されていた約建設投資額が、2020年度には約63.4兆円、2021年度には61.8兆円まで減少しています。
特に、飲食店や宿泊業などのサービス業へ建設の影響が深刻で、これが中小規模の建設現場での工事中止につながっています。
この背景には、コロナ禍による受注の減少だけでなく、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の上昇や円安の影響による建設資材の確保もあります。
◇建設業界が抱える問題
建設業界が進んでいる大きな問題の一つが人手不足です。
少子化の影響で労働者が不足しているだけでなく、建設業界では特に職人の高齢化が進んでおり、深刻な人手不足になっています。
国土交通省が発表した「建設業及び建設工事労働者の現状」によれば、建設業で働く労働者の約34%が55歳で、高齢化が進んでいます。
専門的な知識や技術を受け継いでいる若手の育成が急務であることが示されています。
こうしたことから、建設業界では労働者の処遇改善やICT化による業務効率化、女性の積極的な採用などを取り入れて、問題改善に取り組んでいます。