「勾配」が必要な理由とは?構造物別に解説!

「勾配」とは、構造物の傾斜面の傾きの程度を示す言葉です。

道路などの構造物においてはパーセンテージで表され、このパーセンテージは水平100メートルに対して垂直に上がるメートル数を示しています。

ここでは、勾配が必要な理由を構造物別に解説しています。

 

◇道路勾配

道路は降雨対策の一環として、多い雨量に備え、水が溜まらないように道路に勾配が設けられています。

政令の道路構造令により舗装路は一般的に3~5%、浸透路は1.5~2%の断面勾配が定められ、これは雨水がスムーズに排水され、水たまりの発生を防ぐのが目的です。

 

◇屋根勾配

屋根勾配は雨水を効率的に排水し、積雪地域では雪が自然に落下するように工夫されているのが一般的です。

これは屋根材の種類や地域の気象条件(風速、降雨量、積雪量など)に応じて適切な角度が計算されます。

勾配の表示方法には、「尺貫法(寸法勾配)」、「分数勾配(30/100など)」、「角度勾配」の3つがあり、建築業界では尺貫法が使用されています。

 

◇ベランダ・バルコニー

バルコニー床には1/50以上の勾配が必要で、これを満たさないと雨水滞留や防水層の劣化が起きる可能性があります。

これは50メートルの幅で1メートルの高さの勾配を示すもので、逆勾配になると雨水が室内に流れ込むリスクもあるため、慎重な施工が必要です。