セメントは物と物を結びつける無機質接着剤の総称ですが、セメント自体は粉末状態であり、接着性を発揮しません。

セメントと他の材料を混合して作られたコンクリートが鉄筋が組まれた型枠に流し込まれ、乾燥して固まることで強固な鉄筋コンクリートが形成されます。

◇水で固まる

セメントは水硬性があり、水と混ぜ合わせることで化学変化が起こり、最終的に硬化します。

この水硬性は、建築物を形成する上で重要な性質であり、コンクリートにおいてもセメント、水、細骨材、粗骨材、混和材料を混合して作られた液状の状態が硬化する特性を指します。

この特性により、コンクリートは液状の段階で多様な形態や構造を実現し、曲線や突起なども容易に表現できます。

◇収縮性

セメントは水を加えると膨張し、硬化後には収縮を引き起こします。

この収縮性は建築物にとって好ましい特徴ではなく、経年にわたりコンクリートのひび割れが発生する原因となります。

ひび割れには外部拘束型と内部拘束型の2つの主な種類があり、外部拘束型ひび割れは内部温度の低下により収縮できずに発生し、内部拘束型ひび割れは中心部の膨張圧によって表面が引き裂かれます。

建築物の維持管理において、これらのひび割れに対するケアが必要です。