将来を見据えて!スロープを設置する際のポイント

日本では高齢者や介護が必要な家族が増加しており、これに対応して一般住宅でもスロープなどのバリアフリー設計が求められています。
高齢者や足腰が不自由な人が階段や玄関の段差に困難なくアクセスできるよう、スロープの設置が一般的になりました。
ここでは、スロープを設置する際のポイントを紹介します。

 

◇勾配に気を付ける
傾斜が高すぎると歩きにくく、車いすを押すのも大変です。
スロープの傾斜の基本は10度で、勾配が大きいと車椅子などでの昇り降りが難しく、逆に緩やかな勾配にするとスロープが長くなります。
高齢者や車椅子利用者が安全・円滑に移動できる勾配は1/12以内とされ、これは1㎝の高さに対して12㎝の長さのある傾斜を意味します。

 

◇スロープの幅
基本的に公共施設では人とすれ違う幅を考慮して、横幅130㎝以上と定められていますが、一般住宅の場合には100㎝程度あれば安全とされています。
その場合も手すりを設置する場合を考えて、余裕を持った設計をする必要があります。

 

◇屋内でのスロープ設置
スロープの設置は玄関周りだけとは限りません。
同時に考えたいのが室内用スロープです。
ドアの敷居にある段差や建具の枠による段差、また和室とフローリングの敷居、トイレや浴室の敷居、そして玄関の上がり框(かまち)や勝手口の段差、さらにはバルコニーの段差や縁側やウッドデッキの段差など、意外にも室内には段差が結構あるものです。
設計の段階からそれらの段差を想定して、スロープの設置を検討することが必要です。