建設業界の現状から見る、今後の課題

建設業界は東京オリンピックや都心の再開発などの大規模プロジェクトにより、建設バブルとも呼べるほど活気に満ちていました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大や物価高騰などの影響により、現在は苦しい状況に直面しています。

さらに、過去に指摘されていた問題も浮き彫りになり、建設業界は大きな転換期を迎えていると言えます。

 

◇建設業界の2024年問題

建設業の2024年問題とは、「働き方改革関連法」における一部規制の適用猶予期限が、2024年3月に終了することです。

この法律は、労働者が自分に合った多様な働き方を選択できることを目的として設けられましたが、建設業界では業務の特性を考慮して、一部の規制について5年間の適用猶予期間が設定されていました。

しかし、建設業界では天候や材料供給の遅延など、予測不能な出来事により工期・工程が変更されることが珍しくありません。

そのため、時間外労働の上限規制が適用されることは、建設業界にとっては大きな課題となるのです。

 

◇今後の課題

時間外労働の上限規制が45時間/月・360時間/年に制限され、割増賃金率も引き上げられています。

また、年次有給休暇の取得も義務化され、従業員には年5日の有給休暇を取得させるなどがあり、これらの変化は建設業界全体に影響を与え、違反すると罰金が科されるため注意が必要です。