アスベストの危険性と健康被害について

アスベストは繊維は髪の毛の5000分の1程度の細さであ、無機物なので非常に耐久性に優れた特徴を持っており、そのうえ耐熱性や耐薬品性、電気絶縁性なども高く、価格も安価だったため、様々な製品に加工されて使用されました。

アスベストは肺がんや中皮腫を発症する発がん性が問題となり,現在では,原則として製造・使用が禁止されています。

 

◇アスベストの危険性

アスベストは非常に微細な繊維状で、呼吸器官を通じて容易に肺に侵入するのが特徴です。

これが体内に蓄積すると、呼吸困難などの障害を引き起こし、最悪の場合死に至ることも。

WHOでも、じん肺や悪性中皮腫の原因になるとされ、肺がんを引き起こす可能性があることが指摘されています。

アスベストによる健康被害はアスベストを扱ってから長い年月が経過した後に現れ、特に中皮腫は特に長い潜伏期間を持ち、発症までに平均35年前後かかると言われています。

そのため、現在はアスベストを取り扱っている方への、労働基準法により事業主による定期的な健康診断が義務付けられました。

 

◇健康被害

石綿を吸引することで引き起こされる主な疾患には以下の通りです。

  1. アスベスト肺:仕事などで長期間大量のアスベストを吸い込んだことにより、肺の繊維増殖性の変化を起こします。

  2. 肺がん:アスベストを吸入し始めてから20~40年後に発症する肺の悪性腫瘍で、初期段階では無症状で進行すると咳や痰に血が混じる、息切れなどの症状が現れます。

  3. 悪性中皮腫:胸膜や腹膜に発生する悪性腫瘍で、その原因のほとんどがアスベストによるものです。多くの場合、初期は無症状で進行すると息切れや胸の痛み、咳などの症状が出現します。

これらの疾患は、労働基準監督署の認定を受けると業務上の疾病とされ、労災保険で治療が可能です。