かつては、地域ごとに異なる単位で大きさや長さ、量を測っていました。
例えば、エジプトでは肘から中指の先までを基準にした「キュビット」でピラミッドを建てたとされます。
日本では、1958年まで握りこぶしの横幅を「束(つか)」、親指と中指を広げた長さを「咫(あた)」、両手を広げた長さを「尋(ひろ)」と呼んでいました。
しかし、この方法には問題があります。
地域内での取引には支障がありませんが、異なる土地や地域との取引では、同じ単位でも実際の量が異なることがあったのです。
この、単位統一の議論は17世紀にヨーロッパで始まり、1791年にフランスがメートルを提唱しました。
◇メートル法の誕生
1792年、委員会はパリを基点に、北はダンケルク、南はバルセロナに測量チームを派遣し、子午線の計測を開始しました。
1798年に測量が完了し、1799年には北極点から赤道までの子午線の長さを5130740トワーズと算出し、これの1千万分の1を「1メートル」と定めました
この基準は地球の北極から赤道までの距離の1千万分の1です。
1837年、フランスは国内でメートル法以外の単位の使用を禁止し、1875年には国際的にメートル単位を採用する「メートル条約」を締結します。
日本がこの条約に参加したのは、10年後の1885年で、現在では「メートル」は世界基準として使用されるようになりました。