アスベストを使った建材は1955年ごろから使用され、特に1960年代の高度成長期に鉄骨造建築物の耐火被覆材として多く用いられました。
しかし、アスベストの吸引は肺がんや中皮腫のリスクを高めるため、徐々に規制が進み、2006年には日本で新たな使用が全面禁止されます。
古い建物に住んでいると、知らず知らずのうちにアスベストの脅威にさらされている可能性があります。
万が一に備え、アスベストが含まれる建材やその使用場所を具体的に確認しておきましょう。
◇吹付材
アスベストとセメントを混ぜ、水を加えて吹き付ける建材で、主に鉄骨耐火被覆や吸音・結露防止に使用されます。断熱効果や防火性があり、天井や壁などのあらゆる部分に吹き付けられています。
◇フローリング材
特に「ビニルアスベストタイル(VAT)」と呼ばれ、見た目はほぼ正方形で厚みがあり、平滑な表面を持っていますが、裏側はごつごつした質感が特徴です。
◇保温材
アスベスト含有保温材にはクリソタイルとアモサイトがあり、特にアモサイトが多く製造されました。
これらは、天然鉱物などを原料とした珪藻土、パーライト、石綿けい酸カルシウム保温材で、化学プラントやボイラーの本体・配管の保温に使用されてきました。