防煙区画での貫通処理について詳しく解説!

「防煙区画」とは、火災発生時に煙が広がるのを防ぐため、防煙壁や間仕切り壁、垂れ壁などで空間を区画する仕組みです。

 

◇ そもそも、防煙区画とは?

煙が拡散すると視界が遮られたり有毒ガスが充満したりして避難が困難になるため、防煙区画は避難の安全性を確保する重要な設備です。

防煙区画の設置は、一定以上の規模を持つ建築物や用途が指定されている施設では、防煙区画を設けることが義務付けられています。

防煙区画は、建築基準法で規定されているもので、排煙設備が必要な建築物に対して、床面積500㎡ごとに防煙区画を設けることが義務付けられています。

ただし、この500㎡の範囲内であればどこで区画してもよいわけではありません。

区画内のいずれの地点からも、排煙口までの距離が30m以内になるよう、防煙垂れ壁や間仕切り壁を適切に配置する必要があります。

 

◇ 防煙区画での貫通処理とは?

防煙区画貫通処理とは、給水管や配電管、風道などの管が防火区画の壁や床を貫通する際に、延焼を防ぐために処理を行うことです。

防煙区画貫通処理を行う際は、貫通処理ができる業者に依頼し、貫通処理がきちんとできているか確認することが重要です。

ただし、消防法施行令第8条に規定されている「令8区画」と呼ばれる耐火構造の壁や床には、原則として配管などの貫通は認められていません。

ただし、必要不可欠な給排水管で、かつ一定の条件を満たした場合は貫通が認められる場合があります。