しゅんせつ工事は、河川や海底の土砂を取り除き、船舶が安全に通行できる航路を確保する工事です。
しゅんせつ工事は、川底に堆積した土砂や泥を取り除き、水深を確保することで、洪水や高潮の危険を防ぎます。
さらに、しゅんせつ工事により、川底の土砂や泥を除去し、水中の酸素量や光量を増やすことで、水質が改善され、水生生物や植物に適した環境が整い、生態系のバランスが守られます。
今回は、しゅんせつ工事の2つの方法をご紹介します。
◇ポンプしゅんせつ
ポンプしゅんせつは、吸水管で海底の土砂を海水とともに吸い上げ、排砂管で位置に移動する方法です。
土砂を早く取り込むため大規模工事に適していますが、土砂が固い場合は吸い込みが難しいことがあります。
ポンプしゅんせつは、柔らかい土砂の現場で主に使用されますが、ジェット水流や特殊ポンプを使うことで、粘土質の土砂など様々な土質にも対応可能です。
◇グラブしゅんせつ
グラブしゅんせつは、「グラブバスケット」と呼ばれる機器で土砂をつかみ、土運船に積み上げて埋立地に運ぶ方法です。
簡単に言うとクレーンゲームのような仕組みで、狭い場所での作業や固い土の除去に適していますが、ポンプしゅんせつよりも時間がかかるため、広範囲の工事には向いていません。