
建築や塗装の現場では、塗料や接着剤、洗浄剤などに含まれる有機溶剤が欠かせません。
これらは塗料の粘度を調整したり、乾燥を促進させたりといった重要な役割を果たしています。
しかし、有機溶剤には揮発性が高く、長時間吸入したり皮膚に触れたりすると、健康被害を引き起こす恐れがあるため、正しい取り扱いが必要です。
◇現場で多用される有機溶剤の役割
有機溶剤の代表的なものに、トルエン・キシレン・アセトン・酢酸エチルなどがあり、それぞれ揮発性や溶解力が異なります。
これらは塗料や接着剤の品質を高め、仕上がりの美しさや耐久性を左右する重要な成分です。
特にトルエンやキシレンは油性塗料の希釈剤として多く使用され、滑らかな塗膜を形成するために欠かせません。
◇有機溶剤を安全に扱うための注意点
一方で、有機溶剤は揮発しやすく、長時間吸入すると頭痛・めまい・皮膚炎などの健康被害を引き起こす可能性があります。
作業中は必ず換気を十分に行い、防毒マスクや手袋を着用して直接吸い込んだり触れたりしないようにすることが大切です。
また、火気に近づけると引火する危険があるため、保管場所にも注意が必要です。
使用後は容器をしっかり密閉し、残った溶剤を適切に処理することで、作業者の安全と環境保護の両立が図れます。