建築物の図面に書かれている「溶接記号」の話

溶接とは、2つ以上の部材の接合部に熱や圧力を加え、または必要に応じて適当な溶加材を加えて一つの部材にする接合方法です。一般的には金属部品の加工を指し、建設現場でも欠かせない技術です。

 

溶接にはさまざまな方法がありますが、建築物の図面ではどの方法を用いるかを記号で指示します。これが『溶接記号』です。溶接に関わる人なら誰でもわかるように統一したものでJIS B3021に従って決められており、溶接工は溶接記号に従って作業を行います。熟練した溶接工なら暗記していることもありますが、記号の意味を調べながら作業を行っても問題ありません。

 

溶接記号には3つの種類があります。基本記号、組み合わせ記号、補助記号です。これらを組み合わせて使用する溶接や詳しい情報を書き記します。ただ、溶接記号は必ず書かれているものではありません。方法や形状を問わない場合は記載が不要のため、特に指定がない場合は記号の記載もありません。

 

溶接記号を記載する場合は、正しく綺麗に書く必要があります。せっかく考えて指定した記号も相手が読み取れなければ意味がありません。ですが溶接記号を含めた図面は、かつては手書きでしたが、CADが普及した現在では全てコンピューターで書くことができるようになっています。CADの中には溶接記号も登録されているので、今は記載も修正も簡単にできるようになっています。