「冠瓦(かんむりかわら)」は棟瓦の一種で、「のし瓦」と「冠瓦」の総称が「糖瓦」で、棟瓦そのものを冠瓦と呼ぶこともあります。
棟瓦はのし瓦を少しづつずらしながら積み上げて、一番上に半円形の冠瓦を重ねます。かつては裕福な家ではのし瓦を何枚も重ねて屋根を豪華に見せていましたが、最近ではあまり見かけなくなりました。
◇糖瓦の役割
糖瓦は瓦屋の一番上の部分で、主に2つの役割があります。
ひとつ目は雨漏り防止です。屋根の接合部分は最も雨の影響を受けやすい箇所です。そこで接合部分に棟瓦を設置をして棟に降る雨を下に流して、接合部分に雨が侵入するのを防ぐ役割があります。
ふたつ目は家の見栄えを良くするためです。棟瓦は屋根の一番上なので外から見ると一番目につく場所です。のし瓦を何枚も重ねて高くすることで家が豪華に見えます。
◇冠瓦の種類
・江戸冠
横幅が5寸で半円型で水切れがよく、冠瓦として最も用いられています。
・7寸丸冠
文字通り横幅が7寸の冠瓦で、洋瓦によく見られます
・平伏間(ひらふすま)
全体的に平たい形状で丸みが少なく、落ち着いた印象を与えます。
・紋付き三角冠
棟を三角形の形をしているもので新築の平板瓦に使用されています。