1995年の阪神・淡路大震災で木造住宅の倒壊原因が注目され、「柱と梁の損傷」や「壁のバランスの悪さ」が問題視されます。
これを受けて柱の強度や壁バランスの基準が強化され、耐震性を示す「耐震等級」が設定されました。
◇耐震等級を上げるメリットとは?
当然ですが、耐震等級が高いほど建物の耐震性も向上します。
実際、2016年の熊本地震では震度7の地震が続き多くの建物が被害を受けましたが、耐震等級3を取得している建物はほとんど被害を免れたことが確認されています。
また、耐震等級を上げることで、地震保険の割引が最大で50%や住宅ローンの金利優遇といった経済的メリットもあります。
他にも、耐震等級2は当初5年間、耐震等級3は当初10年間、住宅ローンの金利が引き下げられ、返済額を抑えられるのです。
◇耐震等級を上げる注意点
耐震等級3の住宅は建築コストが高くなります。
耐震等級を上げるには耐力壁や耐震金物を増やす必要があり、「設計性能評価」や「建設性能評価」の申請・検査費用として10万~25万円ほどかかります。
また、耐震性向上のため、吹き抜けや大開口、大きな柱のない空間の設計が難しく、家の形にも制約が生じることも覚えておきましょう。