高速道路や自動車専用道路を走っていると、住宅が密集している区間で道路の両側に遮音壁が設置されているのに気づくことがあります。
今回は、防音壁の進化を解説したいと思います。
◇防音壁の始まり
1963年に日本初の高速道路である名神高速道路が開通し、沿道住民からの騒音苦情を受けて、茨木西高槻地区に日本で最初の防音壁が設置されました。
当時の防音壁の構造は、プレキャストコンクリートの支柱にコンクリート板をはめ込む方式だったようです。
その後、1975年に日本道路公団で吸音パネルの仕様が統一されると、防音壁の設置方法も統一する必要が生じ、1978年には設置方法を含む標準図面集が整備されます。
そして、2000年代以降、ポリエステル繊維を使用した吸音材が登場しました。
これは、再生ポリエステルを原料に使い、リサイクル可能なため環境に優しい材料です。
されに、共鳴器や膜振動の吸音メカニズムを応用し、繊維を使わない吸音パネルも開発され、進化し続けています。
◇新しいの防音壁
近年、新しい道路で採用が増えているのが透明な防音壁です。
最大のメリットは「光が差し込む」ことで、透明な防音壁は高架下にできる影を小さくし、一般道では「店の看板が防音壁で見えなくなるため、透明にしてほしい」といった要望にも対応できます。