高層ビルやコンクリートに囲まれた都市空間において、人々が自然とふれあい、心身を癒やす場の重要性がますます高まっています。

こうしたニーズに応えるのが「都市造園」の新たな役割です。

従来の景観美化にとどまらず、心地よさや機能性を追求した造園が、現代のまちづくりに欠かせない存在となっています。

◇都市インフラとしての機能

都市部では日常的に自然と接する機会が少なく、ストレスの蓄積や健康リスクが問題視されています。

そんな中、造園はただの「装飾」ではなく、人々の生活の質（QOL）を高めるための「都市インフラ」として再定義されつつあります。

緑地や公園、屋上庭園、壁面緑化といった都市造園は、視覚的な癒やしだけでなく、空気の浄化やヒートアイランド現象の緩和など、環境面にも多くのメリットをもたらします。

◇「スマートガーデン」の登場

近年では、IoTやAI技術を活用したスマートガーデンも登場し、灌水管理や気候対応を効率化。都市造園は持続可能なまちづくりにおいても、大きな役割を担い始めています。

このように、造園は技術革新と融合することで、単なる景観形成を超えて、都市の持続可能性を高め、住民の生活の質を向上させるための新しい役割を果たすようになっています。