
1981年5月以前の建物は大規模な地震に対する耐震性能が十分でない可能性があるため、耐震診断による確認が重要です。
今回は、建物の安全性を高め、震災被害を防ぐための耐震診断から補強計画、実際の施工に至るまでのステップをまとめました。
■耐震診断による性能把握と補強設計のポイント
旧耐震基準の構造物を安全に改修する第一歩は、専門家による詳細な耐震診断の実施です。
図面調査や現地での改修履歴の確認、コンクリートの劣化状況の確認やコア採取による強度試験などを通して建物の現状を調査し、耐震性能を評価します。
診断結果をもとに、地震時の安全性に影響する要因(柱の粘り不足や壁量の偏りなど)を特定し、補強設計へと進みます。
補強設計では、建物の用途や予算、施工中の継続利用(居ながら施工)の可否を考慮し、構造バランスを考慮した具体的な補強方法を選定することが重要です。
■着工から完了まで!確実に耐震補強工事を進める流れ
補強計画が固まった後は、設計図に基づき現場での耐震補強工事を適切に実施します。
代表的な施工法には、鉄骨ブレースを設置して耐震性を補強する方法や、既存の柱へ炭素繊維シートを巻き付ける補強、制震ダンパーの設置などがあります。
施工時には騒音・振動への配慮に加え、既存構造体と補強部材との接合部を適切に施工することが品質確保のポイントです。
施工完了後の検査・確認を経て、設計で求められる耐震性能が確保されたことを確認することで、旧耐震基準の建物でも耐震性の向上につなげられます。