建物を守る2つの仕組み ― 免震構造と制震構造の比較

建物の地震対策には、大きく分けて「免震」と「制震」の2つの技術があります。

これらは単に壊れないだけでなく、内部の被害を最小限に抑え、住まう人の安全と資産価値を維持するために重要な役割を果たします。

 

◇地震力を「絶縁」して揺れを伝えない免震構造

免震構造は、建物と基礎の間に「積層ゴム」などの免震装置を設置し、地盤の揺れを建物に伝わりにくくする仕組みです。

特に病院やデータセンター、高層マンションなど、震災後も機能を維持し続ける必要がある建物に適しています。

コスト面や定期的な点検が必要な点、また周囲に建物が動くための空間(クリアランス)を確保する必要があるといった条件はありますが、揺れを抑える性能において非常に優れた工法です。

 

◇揺れを「吸収」して建物の損傷を防ぐ制震構造

制震構造は、建物の内部にダンパー(重りや油圧装置、ゴムなど)を組み込み、地震のエネルギーを吸収して揺れを抑える仕組みです。

免震が「揺れを伝えない」のに対し、制震は「揺れをブレーキのように止める」という考え方に基づいています。

強風による揺れから大規模地震まで幅広く対応し、上層階ほど大きくなる揺れを効果的に減衰させます。

免震構造に比べて設置の自由度が高く、コストも比較的抑えられるため、高層ビルだけでなく一般的な住宅のリフォームにも採用しやすいメリットがあります。